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2018.08.28 Tuesday

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2018.05.08 Tuesday

ある過払金の返還―判決どおりの支払いを受けるのは大変!?

1 むかし,あるところに,過払金の返還を判決どおりに受けられずに困っているAさんがいました。

 Aさんは,以前,中堅の消費者金融であるP社からお金を借りて,完済したのですが,150万円ほどの過払金があったのです。

 そこで,Aさんは,弁護士に頼んで訴訟を起こしました。そして,Aさんは,過払金約150万円の返還をP社に命じる判決を勝ち取ることができました。

 ところが,P社の担当社員は,事業を継続しているにもかかわらず,相次ぐ過払金の返還請求でお金がなくなったといいます。そして,判決が出たにもかかわらず,「30万円しか払えない。これで和解してくれないか。」と言い出す始末です。

 Aさんは,150万円の判決が出たのに30万円しか払ってもらえないことに納得できず,和解金の増額を求め続けました。そして,AさんはP社から1円も返してもらうことなく,時間だけが過ぎました。

 

2 そのような中,Aさんは,P社が行っていた事業の業績が向上していることを知りました。

 Aさんは,「P社が,倒産したならまだしも,事業を継続し,しかもその業績が向上しているのに,判決どおりに150万円を返さないのはおかしい。」と憤りを覚えました。

 そこで,Aさんは,何人もの弁護士に相談しました。しかし,どの弁護士からも,「P社から全額を回収するのは困難です。最近は,全額回収できたという話は聞いたことがありません。」との答えが返ってきました。

 それもそのはずで,P社は,相次いで過払金の返還を請求され,種々の強制執行を受け,対策を取るようになりました。P社は,財産を他の企業に譲渡したり,そのありかを分からないようにしたりし,強制執行できる財産を見つけることは非常に困難になっていました。

 そして,Aさんは,何人もの弁護士に断られ続けたことで,判決どおりに回収することを諦めかけていました。

 

3 そのような中,Aさんは,N弁護士に相談しました。

 N弁護士は,困難な事件にも,合理的な可能性がある限り,依頼者の利益を尊重し,積極的に取り組む弁護士です。

 N弁護士は,Aさんからそれまでの経緯や思いを聞き,Aさんに共感し,「倒産したり事業を継続できないような会社ならまだしも,事業を続けられる会社である以上は,必ず何らかの回収する手段はあるはずである。」と考え,Aさんの依頼を受けて強制執行することにしました。

 そして,N弁護士は,事務所に勤務するD弁護士に事件を委ねることにしました。D弁護士は,少しグズグズしたところはあるものの,若く,タフで,粘り強く事件に取り組む弁護士だからです。

 しかし,D弁護士は懸命に取り組んだものの,強制執行できる財産は一向に見つかりません。簡単に見つけられる財産は,既に他の請求者や弁護士が見つけて強制執行しているのです。

 それでも,D弁護士は,Aさんのために諦めずに粘り強く財産を探し続けました。

 そして,ついに強制執行できる財産を見つけました。

 

4 N弁護士は,早速この財産に対する強制執行を申し立てました。

 すると,これまで一向に判決のとおりに支払おうとしなかったP社の担当社員は,約150万円の元金に年5分の割合による遅延損害金や執行費用等を加えた約240万円もの金銭を直ちに支払うと言ってきたのです。

 それほど,この強制執行の申立ては,P社にとって困ることだったのでしょう。

 ほどなくして,N弁護士は,P社から判決どおり約240万円のお金を回収し,Aさんの権利を実現することができました。

 

5 一件落着した後,N弁護士は,D弁護士に対し,次のように語りました。

 「P社のように事業を継続している会社であれば,必ず強制執行できる財産はあるはずです。今回,強制執行した財産についても,また,対策を立ててくるでしょう。しかし,そうであるならば,弁護士は,何とかして,依頼者のために新たな財産を見つけるまでです。

 弁護士は,高い要求をする依頼者に鍛えられます。依頼者の高い要求が,弁護士を成長させてくれるのです。

 D君が,事件に真摯に取り組み,あきらめずに粘り強くやりぬいたことは,私にとっても誇りです。D君が弁護士として成長し,自信をつけてくれたのが,本当に嬉しいです。」

 このように語ると,N弁護士は,D弁護士とともに,夜の街へと消えていきました。

おしまい

 

2018.08.28 Tuesday

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