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2017.12.28 Thursday

シンガポールの裁判所の視察

 当事務所は、本年、河野美秋弁護士が福岡県弁護士会に登録して以来、50周年を迎え、これを記念して、事務所全員でシンガポールに行って参りました。弁護士7名、事務局5名で、平成29年11月2日から6日まで、シンガポールを訪れ、裁判所やその他の施設を訪問し、視察しました。

 シンガポールは、初代首相リー・クアンユーの政策が功を奏し、現在は、経済先進国となっており、国民一人当たりのGDPも、世界のトップクラスで、ビジネス環境ランキングでも、毎年、上位にランクされています。そして、契約の履行等、裁判に関連する事項でも、高い評価を得ています。

 そこで、私たちは、シンガポールの裁判制度等について学ぶため、11月3日、シンガポールの裁判所である、最高法院と下級法院を訪問して参りました。

 シンガポールの民事裁判は、IT化が進められたり、短い日程で当事者間の主張が交わされたりするうえ、文書開示の手続が充実する等しており、簡易迅速に民事裁判制度が利用できるようになっています。また、法廷では、口頭でのやり取りにより活性化も図られています。

 しかし、短い日程で、当事者の主張がやり取りされるためか、争点が絞りきれずに、尋問においては、時間を要し、冗長と感じられる場面もありました。また、裁判が、予定された時間どおりに始まらず、ずいぶんと遅れて開始されており、この点も意外でした。

 日本では、多少時間はかかりますが、しっかりと争点が絞られるまで、当事者が主張の応酬を続け、絞られた争点で尋問が行われており、要点を絞ってスマートに行われているのではないかと思われます。

 特に、福岡地裁では、口頭弁論や準備手続において、口頭による協議が充実しており、主張を整理し、争点が絞り込まれたうえで、尋問が行われており、シンガポールに決して負けていないという印象を受けました。

 また、シンガポールの最高法院を訪問した際、そのホスピタリティの高さに感銘を受けました。最高法院の建物の最上階には、街並みを展望できるエリアが開放してあり、1階にも、絵画や、裁判所の歴史を展示してあるエリアがありました。さらに、私たちが、最高法院の建物を出たところで、写真を撮ろうとしていると、入り口を警備するセキュリティガードの職員の方が、建物内部が写らないようにして、私たちの写真を撮ってくれました。裁判所のあり方や市民との距離感についても、日本とシンガポールの違いを、実感することができました。

 翌日は、市内観光ということで、マーライオン公園やガーデンズバイザベイ、サンズスカイなどへ参りました。どの施設や建物も印象的でしたが、特に、マリーナベイサンズという、高層ビルの上に大きな船が乗った建物が、豪華で、印象に残りました。夜になると行われるレーザーショー等も、とても感動的でした。

 また、戦争遺跡であるシロソ砦にも参りました。シロソ砦は、太平洋戦争当時、シンガポールに攻め込んだ日本軍を迎え撃ったイギリス軍が使っていた砦です。ここでは、日本とシンガポールの歴史的な関係について、改めて学びました。

 外出の際、私たちは、公共交通機関を利用し、自分たちの足でシンガポールの街を歩いてみました。特に驚いたのは、シンガポールのエスカレーター等の速度が非常に速かったことです。慣れていなければ、大人の私たちでも、放り出されそうに感じるほどで、シンガポールという町のスピード感そのものが表れていると思いました。

 国の経済的成長やこれに対応するスピードも大切ですが、子供や老人が安心して住むことのできる街づくりも大切であり、日本では、これを両立させながら、実現するべきであると考えさせられました。

2018.05.08 Tuesday

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